ニューヨークを拠点とし、グローバルで人気を博すコンテンポラリーアーティストKAWSが新たなプロジェクトを公開し話題を呼んでいる。
KAWSと言えば、昨年2019年に実施された一大アートプロジェクト“KAWS:HOLIDAY(カウズ:ホリデイ)”にて、代表的なキャラクターでもあるCOMPANION(コンパニオン)の巨大アートワークがソウル、台北、香港、日本と世界を巡回する体験型プロジェクトが記憶に新しい。
そんなKAWSが今回は、バーチャル空間でアート作品を楽しめる画期的なプラットフォームを制作する会社「Acute Art」とタッグを組み、AR技術を用いた最先端のバーチャルアートを発表した。
“EXPANDED HOLIDAY”と題された本プロジェクトでは、専用アプリ「Acute Art」を使用し、KAWSの代表的キャラクターでもある COMPANION(コンパニオン)の巨大AR彫刻を目の前に配置し、写真や動画を撮影できるというもの。
アプリは、App StoreとGoogle Playからダウンロードすることができ、有料版2種類と無料版の3タイプが提供される。
1つ目の有料版では、価格が860円で3種のCOMPANIONから1体を選び、7日間アプリ内のカメラを使って好きな場所や角度から自由にCOMPANIONの撮影が可能となる。3800円を支払えば3種を並べて表示することも可能だ。
2つ目の有料版では、価格が1万ドル隣、1.8mサイズの全世界25個限定のCOMPANIONの中から、1体を永久保有権を購入できるスペシャルエディションとなっている。もちろんこちらのプランもCOMPANIONを自由に表示・撮影することができ、また特定箇所に設置し他ユーザーへの公開や、「Acute Art」を通して永久保有権を他ユーザーに転売することもできる。転売する場合は、販売価格を販売者が決めることができる。販売成立となると、設定された販売価格から30%の手数料が差し引かれ、販売者と購入者それぞれが半額を負担することになる。
KAWSは今回のプロジェクトに関して、以下のコメントを発表している。
「ARでアートが達成できることと、オーディエンスが経験できることのクオリティの高さを知ったとき、ARの持つポジティブな側面に惹かれました。私はこれまでもオブジェクトを作成し、それを公共スペースで展示してきました。今回のプロジェクトでは、今までやってきたことを全くの新しい分野で拡大していくことができます。場所と規模の可能性は無限であり、この新しいメディアでの展開を楽しみにしています。」
KAWSのコメントにもあるように、今回の様なARやVRの最新技術を用いる事で、これまでの展示形式の概念を大きく変化させ場所か規模の制約を取り払い世界中のユーザーに訴求することが可能となる。今回のプロジェクトは、アートの所有、取引、鑑賞という概念に新たな可能性を見出すことが出来る企画となっている。
なお、本プロジェクトの無料版は期間限定公開となり、3月12日(木)から26日(木)までの間、12体のコンパニオンがアフリカからアジア、オーストラリア、ヨーロッパ、中近東、北米、南米まで12カ所のランドマークにヴァーチャルのパブリックアートとしてCOMPANIONが展示される。各地域の展示場所は以下の通り
・日本(東京)/ 渋谷スクランブル交差点
・アメリカ(ニューヨーク)/ タイムズスクエア
・アメリカ(ニューヨーク)/ ブルックリン美術館
・フランス(パリ)/ ルーヴル・ピラミッド
・イギリス(ロンドン)/ ミレニアム・ブリッジ
・中国(香港)/ 香港観覧車
・台湾(台北)/ 国立中正紀念堂
・韓国(ソウル)/ 東大門デザインプラザ
・オーストラリア(メルボルン)/ ビクトリア国立美術館
・ブラジル(サンパウロ)/ イビラプエラ公園
・カタール(ドーハ)/ イスラム美術館
・タンザニア / セレンゲティ国立公園